ランドスケープとは2014/08/01更新
- 読み:らんどすけーぷ
- カテゴリ: 地球環境・暮らし > ランドスケープ
ランドスケープ(景観)は、その形態と外形、表面を覆う植生と人間の生活、そして地盤となる岩石と土壌は時として垣間見えることもあるが、通常は植生の層の下になって見えない場合が多い。景観を注意深く観察すると、それがいかにして形成され今がある特性をもつにいたったのかを示す痕跡を、その形の中に見出すことができる。時には短期間で劇的な作用を受ける場合もあるが、自然景観の多くは数千年を越える緩やかな作用によってもたらされるものだ。
地球はおよそ45億6000万年前にガス雲と氷と宇宙空間の微惑星が合体することによって誕生した。この数字はあまりに途方もなく、私たち人間の感覚では把握しにくい概念だ。しかしこれは、景観とその特性がいつどのようにしてつくられたかを推定するうえで非常に重要な時間軸となる。ナイジェル・コールダーが著書『The Restless Earth(休みない地球)』の中で、地球史46億年を人間の46年の生涯にたとえたことは有名である。それによると、生物の出現はほんの6年前であり、顕花植物が出現したのが1年前、恐竜が姿を消したのは8ヶ月前、人類の進化にいたってはすべてこの1時間で起きたと考えられる。そして現在私たちの眼前に広がる景観は、こうした年月を経て形づくられたものだ。
様々なランドスケープの成り立ち
古代の断層
多くの谷は水や氷河の作用で削られてできるが、それとは異なる成り立ちを示す規模のものもある。スコットランドのグレートグレンは国土をほぼ2つに分断している。これはおよそ4億5000万年前に生じた大陸プレート間の断層のあかしと考えられている。
炎の山
ヴェスヴィオ山に代表される火山が地質学者にとっては魅力的なのは、目に見えない地球深部の謎を明らかにしてくれるからだ。火山は、解けた岩石が地殻の亀裂を通って押し上がり噴射することによって形成される。このため火山は断層線近くで多く見られる。
偉大な力
オーストラリアの有名なウルル(エアーズロック)の一枚岩。この岩石を構成している5億年前の砂岩層は、(推定およそ4億年前の)地殻変動によって傾斜し、その後徐々に風力と流水による浸食作用を受けた。
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