LIBERTYとは2014/07/08更新
- 読み:りばてぃ
- カテゴリ: ファッション・アート・文化 > LIBERTY
アーサー・ラセンビィ・リバティが、日本や中国、インドからの輸入ファブリックを扱う店をリージェント・ストリートにオープンさせたのは1875年のこと。美しさを最上の価値ととらえる耽美主義運動の全盛期だった1870年代、こうした芸術運動の流れを支持する人々は、リバティにとってきわめて大切な顧客だった。美しいものを、手の届く価格で提供する。そうすることで一般の人々のスタイルに影響を与えたのである。アーサーのこの考えは、時代の潮流にぴったりと合致するものであった。
まもなくアーサーはファブリック以外の商品展開も始めることとなる。店に置かれた日本の扇子、屏風、壁紙から、中国の青白陶器、インドの象眼細工を施した飾り箱や木彫品、ペルシャの金属細工や絨毯に至るまで、ありとあらゆる商品を求めて人々がやって来た。とはいえ、店の品揃えで最も重要な存在は、やはりファブリック。そこでほどなく準備を整えたアーサーは、オリジナル生地の生産に着手したのである。
リバティの生地の特徴
リバティファブリックの鍵となる特徴のひとつは、その色合いだ。トーマス・ワードルの“リバティ・アート・カラー”から今日のデザインに至るまで、つねに完璧を追求した色出しに重きが置かれてきた。捺染業者からデザイン・スタジオに試し刷りが送られた後、その発色とプリントの完成度にデザイン・スタジオが納得するまで、多くのデザインは何度も両者を行き来する。たとえば、シンプルな単色で表現された“Capel(カペル)”など、プリント作業が比較的やさしいものもあるが、一方で“Vonetta(ヴォネッタ)”のように、抜染プリントと呼ばれる技法によって染料ではなく漂白作用のある抜染剤をスクリーンの1枚に用い、あらかじめ染色された生地の一部から色を抜く作業を要するものもある。
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