ボルドーとは2014/12/29更新
- 読み：ぼるどー
- カテゴリ： 食・ワイン > ボルドー
ボルドーワインは濃厚でドロリとした固体感のある紫色をしており、味わいも渋みが強く濃厚で重量感がある。
明るくフルーティなブルゴーニュワインと比べると、男性的なワインと呼べるかもしれない。
ブドウ品種は、「カルベネ・ソーヴィニヨン」「メルロー」「カルベネ・フラン」の3品種が主に使用されており、そのため比較的に長熟タイプのワインが多いのが特徴である。
気候との関係性
極上ワインを生産するための土地を、気候と土壌だけで判断しようとする人がいるとしたら、その人はボルドーを選ばないだろう。
尊敬すべき元ボルドー大学醸造学部教授ジェラール・セガンが、論文『ボルドーのグラン・クリュのテロワール』で述べているように、ボルドーが極上ワイン生産地域として発展したのは、テロワールによるというよりは、地理、歴史、そしてそこに注ぎこまれた人々の労働によるところが大きいのである。「一見したところボルドーの気象条件は、極上ワインを生産するように運命づけられた土地とは思えない」。
そして、さまざまなデータも、それを裏付けているように見える。年間平均気温は13℃と穏やかで、7月と8月の平均気温は20℃と、十分な高さまで上昇する。日照時間は、雲に覆われる時間があるため、中庸（4月から9月までの合計で、平均1360 時間）である。湿度の平均は76％で、春と夏の気温の高さを考えれば、種々のカビ病が発生しやすい状況にある。年間平均降雨量は850 ㎜であるが、夏季にかなりの雨が降り、9 ～ 10月の完熟期6 週間の平均降雨量は110 ㎜である。
このようにデータだけを見れば、ボルドーの気象条件は理想からは程遠い。とはいえ、海洋性、大西洋型、温暖などと形容されるこのボルドーの境界型気候は、明らかにボルドー・ワインの性質とスタイルに色濃く投影されている。適度な気温は決定的に重要である。それは“過成熟”の心配をあまりしなくて良いほどの高さであり、しかもこの地域で栽培される葡萄品種がゆっくりと成熟していくにはちょうど良い気温である。こうして一般に言われているように、ボルドーの赤ワインの、深い色調、バランスのとれたアルコール度数、舌先に新鮮さを感じさせる適度な酸味が生まれるのである。
香りの面から言えば、赤果実のニュアンス、それに2003のような気象的に最高のヴィンテージに見られ、遅い収穫と長いハング・タイム（熟した葡萄を摘み取らずに枝に残しておく時間）から生まれる良く熟したプルーンやジャムのノートが生まれるのである。一般に、バランスの良さとフィネスは、気象条件によってもたらされる。
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