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タロットとは2016/06/10更新

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タロットとは、不思議な独特の図像の描かれた78枚のカードによって構成される1組のカード・セットのことである。それは、人の普遍的な特徴的性格、すなわち元型を擬人化した22枚の大アルカナと、わたしたちが日常生活で遭遇するさまざまな出来事、人々、性格、考え方、感情を表す56枚の小アルカナから構成されている。タロットは何百年も前から、未来を占い、自己を啓発するための神秘の道具として西洋の人々に親しまれてきた。しかし現在タロットは、錬金術、心理学、占星術、数秘術、カバラ教、キリスト教神秘主義、東洋哲学、その他さまざまな秘儀と結びつくことによって、世界中の人々が活用することのできる普遍的な道具へと進化している。タロットがそのような広がりを持つようになったのは、それが人の心そのものを映し出す鏡だからである。

 

タロットカードの歴史

タロット・デッキ(1 組のカードのこと、パックともいう)の78 枚のカードは、大アルカナと小アルカナから構成され、それらは基本的に、それぞれ“大きな秘密”と“小さな秘密”を表している。タロットがどこで生まれたかについて、本当のことを知る者はいない。しかし神秘的なものの多くがそうであるように、歴史家、作家、秘術実践家は、自分自身の個人的な見解に色付けされたさまざまな起源説を唱えている。とはいえ、古代のインドと極東に、数字の入った神秘的なカードのセットが存在したことが知られており、それらが聖地奪回の十字軍の渦中およびその後に、テンプル騎士団によってヨーロッパに持ち込まれたのは確かなようである。また、東アジアを起源とする移動民族ジプシーが、タロット・カードを中世ヨーロッパに持ち込んだという説を唱えるものもいる。多くの説が、ヨーロッパ最初のタロット・カードは、14世紀初めに作られたと述べている。

18世紀に、神秘主義的聖職者で言語学者、そしてフリーメーソンの会員でもあったフランス人のアントニオ・クール・ド・ジェブランが、タロットの謎を解いたと公言した。彼は、22枚の大アルカナ・カードは、古代エジプトの神秘の叡智を寓意画にしたもので、それは『トート(古代エジプトの神秘と呪術の神)の書』に起源を有するに違いないと唱えた。ジェブランは、その神秘的な絵は中世の初めに放浪のマギ(古代ペルシャのゾロアスター教の司祭)の末裔によってヨーロッパに持ち込まれたが、その後秘匿され、行方不明になっていたと説明した。

カードが、なぜ“タロット”と呼ばれるようになったかについても、諸説がある。それは古代エジプトの神秘と呪術の神“トート”の派生語であると唱えるものもあれば、タロットの起源は古代ヘブライにあり、ヘブライの律法の書『トーラ』(『モーゼの五書』とも呼ばれている)に由来すると主張するものもいる。また、それはラテン語で車輪を意味する“rota”の回文であると主張するものもいる。厳密にいえば回文ではないが、失われた“t”あるいは後に付け加えられた“t”は、タロットに秘められた永遠の謎を解くもう1 つの手掛かりを与えてくれるかもしれない。

 

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