エッセンシャルオイルとは2014/08/04更新
- 読み:えっせんしゃるおいる
- カテゴリ: 自然療法・統合医療・健康 > エッセンシャルオイル
芳香植物から(通常は蒸気蒸留によって)抽出されたエキスは微妙な化学変化を経て、やがてエッセンシャルオイルとなる。エッセンシャルオイル(精油)という言葉は普通、アロマセラピーで使われる芳香油(アロマオイル)全般を指して用いられるが、厳密に言えば理論的に正しくない。柑橘類の外皮を圧搾するだけで抽出された時点でも植物エキスのままであるし、ジャスミンのようなフローラル系のオイルには、アンフルラージュ(冷浸法)や溶剤を利用して抽出しているものもあり、こうした手法の場合、「凝結物」が残っている。
ほとんどのエッセンシャルオイルは無色または薄く色づいているだけで、さらっとしているが、粘土の高いものやハッキリとした色を有すものもある。エッセンシャルオイル必ず共通する特徴は、アーモンドやサンフラワーといった脂肪油もしくはアルコールにしか溶けないこと。水には溶けない。また、非常に濃度が高く、強いものなので、使用する場合はしっかりと希釈することが重要。揮発性も高く、空気に触れるとすぐに蒸発してしまうので、密閉できる色の濃いガラス瓶に保存しておく。
エッセンシャルオイルの働き
肺からの吸入
アロマセラピーマサージやアロマバスをはじめとする様々な療法の際も、わたしたちは呼吸をしているため、エッセンシャルオイルの粒子を吸い込む。それは気管をとおって気管支に入り、やがて肺に達する。肺のなかには小さな風船状の肺胞があり、その周囲には微細な血管がはりめぐらされ、ガス交換を行っている。そこで、二酸化炭素を主とする老廃物が排出され、代わりに酸素とエッセンシャルオイルの粒子がとりこまれていく。
皮膚からの浸透
ボディーマッサージの際、皮膚は少量のエッセンシャルオイルを含んだベースオイル(スイートアーモンドなど)でおおわれる。皮膚は小さな分子で構成されている物質であれば、吸収も排出も可能であるので、オイルの分子は皮膚を通って体内へ浸透されていく。
体内での働き
体内に入ったエッセンシャルオイルの粒子は、血流にのって様々な器官をはじめ、全身を循環する。そしてほとんどのエッセンシャルオイルが特定の器官もしくは体全体に治療効果をもたらす。たとえばローズエッセンシャルオイルには、子宮をきれいにし、その状態をきちんと整え、働きを活発にする効果がある。体内に入ったローズの粒子が、子宮に到達して効果的に機能する。
心への働き
エッセンシャルオイルは、情緒面にも絶大な効果を発揮する。ローズの例でいうならば、抗ウツ、神経強壮、催淫効果があり、そのためアロマセラピストは、妊娠にともなう様々な悩みをかけた患者にたいしてよく利用する。
エッセンシャルオイルとフレグランスオイルの違い
エッセンシャルオイルはさまざまな植物抽出物に含まれているが、植物抽出物にはエッセンシャルオイル以外の成分も含まれているので、純粋なエッセンシャルオイルとは異なる効能がある。また、俗にいうフレグランスオイルは、エッセンシャルオイルと似たような名前をしていることが多いが、たいていはエッセンシャルオイルに含まれている天然の化学物質に似せた安価な合成成分を大量に含んでいる。こうしたフレグランスオイルは単に“いい香り”を出すためだけに作られ、効能を考慮しているわけではないので、皮膚に直接つけたり、体の不調に対処するためには使用したいこと。
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