ボバース概念とは2016/11/07更新
- 読み:ぼばーすがいねん
- カテゴリ: リハビリテーション・スポーツ医学 > ボバース概念
「ボバース」はカレル・ボバース(Karel Bobath)とベルタ・ボバース(Berta Bobath)夫妻の名前に由来している。
夫妻はかねてから講習会などを開き、その概念を広めていった。1991年に夫妻は生涯を終えられたが、直接に夫妻の指導を受けたシニア・インストラクター達が、歩みを止めることなく問題解決能力を高め、治療理論を進化させている。
ボバース概念の基も重要な部分の一つは、上位運動神経損傷の症例では、抑制制御 inhibitory controlの欠如とその結果の痙攣spasticityの重要な役割を知っていることである。求心性入力を通して緊張亢進に影響することができる可能性は、‘反射抑制姿勢’、とより静的要素の少ない‘反射抑制パターン’の理解を導き出した。このことに関連して患者の主要な問題は、筋の弱化ではなく、異常な運動協調パターンと異常な緊張(一般的には過緊張)によるものであることを提言したことである。このことは、運動抑制のシステム・アプローチの一部であり、英国で何度もリメイクされた映画‘ブラトン・ロック Brighton Rock’のようにボバース概念も根本的に発展して更新されてきたが、現在もこれから先も討論されて行くだろう。
ボバース概念の良い影響力は、特殊な技術以上のものがあることである。もしも神経リハビリテーションの重要な点は、‘神経系が理解できる言語で話しかけること’であるならば、患者にとって不十分な期間の理学療法、「すなわち週5日間、1日1時間、週末には何もない治療」を受けるだけでは十分とは言えず、ケアにおいて熟練した手を無効にしてしまう方法で治療されることになる。リハビリテーションは全日24時間、チーム力でなされるものである。熟練の多職種チームの方針で行われ、運動回復は継続的に一貫してなされる。ボバース概念は、何がよいかを我々に思い起こさせた。患者が求めている神経リハビリテーションは、頭蓋骨と脊柱の中にある神経系だけでなく、ヒトとして、問題解決しようとする試み、感性を感じさせる複雑なものである。
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