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第4回 山本博先生のスペシャルワイン情報【岐阜県】
- 2012.09.29
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山本博先生から 企画に寄せてスペシャル情報 ♪
≪第4回≫ 岐阜県ワイン情報編
今年の被害県の一つになった岐阜はおよそワインとは無関係のように思われる。確かにその通りでこの県は日本のワイン業界とあまり縁がない。
ところが探してみると一か所ワイン造りをしているところがある。多治見市である。
東京の住民と言えば誰もが陶器の名産地は瀬戸だと思いこんでいる。ところが瀬戸の奥に孤立した陶器の産地が多治見。有名な武将茶人 古田織部はここにたてこもって日本独特の志野焼の茶器を造り続けたのである。多治見は名古屋から信州(長野)へ行く木曽街道(東海道の裏街道)の途中、美濃にある交通上の重要な町であった。この町には虎渓山 永保寺という寺院があり、国の指定名勝にもなっている庭園は夢窓疎石によるものと伝えられていて、はるばる訪れる人も少なくない。江戸時代以前、岐阜は美濃と呼ばれていて瀬戸が大衆食器の大生産地に発展する以前、「美濃は茶陶のふるさと」とも呼ばれ茶器の名産地だった。(美濃焼ミュージアムがある)。このお寺の裏手に修道院がある。キリスト教の教儀礼拝上ワインは不可欠のものだったから、設立当初より修道僧達が細々とワインを造り続けていたのだ。昔は造ったワインを売るということをしなかったから、ここの修道院ワインは一般人に知られていなかったのである。今では直接訪ねれば分けて頂ける。また、残念ながら今年は中止となってしまったが、毎年11月にはここのブドウ畑でワインフェスタが開催されていて、参加費用はかかるが修道院で造られたワインが1本ついてくる。活気があって騒々しい都会から離れてほんの少し足をのばせば古きワイン、庭園美、美濃焼の陶芸、現代の陶器造りの見学と歴史と美術の探訪が一緒に体験できるツアーなのである。寺院に寄付をすれば間接だが罹災地支援の一助になるであろう。
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