スタッフブログ
本の学校 分科会
- 2010.07.10
- 東京国際ブックフェア 「本の学校」に参加しました。 一番の盛り上がりは第四分科会 「出版デジタルコンテンツ化の流れを再整理する~”黒船”に脅えないための基礎教養~」 パネリスト:植村八潮氏/落合早苗女氏 コーディネーター:梶原治樹氏 「電子書籍元年」と言われている本年だが、 1995年にパピレスという電子書籍書店が誕生して以来、業界では長らく電子書籍元年が始まっている。 新潮ケータイ文庫から新人作家の誕生を育むなど実績も多数ある。 採算重視の日本に対比して経営直下に投資する体制が整っている米国の電子書籍市場は躍進を遂げている。 電子書籍は本当に出版社が担うべき分野なのか。 IT関係者が不在の出版業界者が、ゲーム業界や放映業界と戦えるのか。 電子書籍ファイルフォーマットの統一は可能か。 現在重視している書店・取次営業の人員は電子書籍分野で活躍できるのか。 編集の責任は誰がとれるのか。 などなど、多角的な問題提起を吸収することが出来ました。 学んだことをどう咀嚼するか、自社の出版物にどう転換していくか、 私も私でよく考えていきたいです。 その後の懇親会でパネリスト・植村八潮さんから直接お聞ききした非常に有意義なお話がありましたのでご紹介させてください。 私―米国では公共図書館でキンドルの貸出をしているとのことですが、貸出料は無料なのでしょうか。 植村さん―有料にしてビジネスをしようという考え方自体が米国にはない。米国では、大学生が自分の出身校に寄付をし、次に学ぶ意欲がある人へ還元するという文化があるほど勉学には意欲的。それによって、本当に学ぶ意欲のある若者は例えスラム街の少年でも図書館で自主学習ができるよう、公共予算を組んでいる。ビジネスという視点ではない、電子書籍の活用法が米国にはある。 人を救う、勉学の自由を作る、 そういう目的で電子書籍を捉えるという発想に、これまでの勉強会にない可能性を見れました。
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