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セロひきのゴーシュ×緩和ケアの本質と実践
- 2014.04.30
- 宮沢賢治童話の傑作『セロひきのゴーシュ』では、 音楽団の中でも演奏が下手なゴーシュは、いつも楽長に叱られます。 「おいゴーシュ君、君には困るんだがなあ。表情というものがまるで出来ていない。」 演奏会まであと10日となり、猛練習を続けるゴーシュのもとに、ゆかいな訪問者が訪れます。 生意気なネコがやってきた時は、ゴーシュは日頃溜まっていた怒りを曲に乗せて表します。 正確な音階を学びたいカッコウがやって来た時は、一緒に音階の基礎を練習します。 病気の子ネズミが訪れた時は、セロの音が按摩の代わりになって病気を癒してあげます。 毎晩、訪問者たちに練習を妨げられたゴーシュですが、演奏会当日は素晴らしソロ演奏で、観客、楽長に褒め称えられる、というお話。 ゴーシュは、溜まっていた感情をネコに気付かされ、基礎の練習の大切さをカッコウに教えられ、生命を慈しむ心を子ネズミに注ぎ、知らず知らずのうちに人間としての深みが増し、聞き手の感動を呼んだのです。 緩和ケアの世界でも、感情や心理に「気づく」、相手を「わかる」コミュニケション能力をつける、安心感を与えて心を「守る」、3つの看護能力が重要とされています。 ネコのように上手に感情を引き出し、カッコウのように謙虚に教わり、子ネズミのように全幅の信頼を寄せると、本来の人間らしさが現れるという事にとても似ています。 患者の深層心理に「気づく」段階ごとの様々な方法、「わかる」ための上手なコミュニケーション、安心感を与え心を「守る」ための智慧、エッセンシャルオイルやマッサージ、自己暗示や皮下療法などに加え、親族など社会的な対応、患者自身の痛みを理解する身体的な面、モラルやスピリチュアルな面から「死」を考える提案など、緩和ケア現場で求められる判断や知識を網羅した本、 『緩和ケアの本質と実践』発売中です。
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